OKサトウタナカ

その時々の興味あることを節操なく書き綴っていきます。

代官山蔦屋書店をじっくり見てきた

 最近知り合ったクルマカタログ好きのKさんと代官山蔦屋書店に行ってきた。その前に鮨・市勘でランチをした。代官山なんてこれまで数回しか歩いたことしかない。東急東横線には通学時は毎日乗っていたものの、途中下車をほとんどしなかったから流行りの店とか町の位置関係はほぼわからない。地方の東京憧れ少年・少女のほうが、はるかに「情報量」は多いだろう。市勘は、出前が10人前入ったところで慌ただしかったが、丁寧に対応していただき気持ちよかった。1.5人前で1,500円はお手ごろだし、ネタもシャリもしっかりしていた。シャコのタレの甘さが控えめだったところに、大将のこだわりを感じた。タレをたっぷりつけられると、魚の味をごまかされているようで好きじゃない。

 鮨で腹ごしらえしたあと、住宅地にある蔦屋書店へ向かった。途中の道は、家族連れやカップルが散歩しながら洋服や雑貨店を覗いている光景ばかり目に入ってきた。あとは、カフェでのんびりする人々。頭で思い描くオシャレでハイソな代官山そのものだった。この時点で、完全におのぼりさん状態。

 1年前に1度だけ訪れたことはあったが、その時はじっくり本棚を見ずにぐるっと回っただけ。今回は、1時間たっぷり見て、相手に紹介したい本を片っ端から布製の店内バッグに入れていった。車、建築、料理、写真、デザイン、旅行など趣味や実用書、読むでなく見る中心の本が多かった。雑貨や調味料、店内にあるスターバックスのコーヒーと関連付けて本と一緒に買ってもらう意図がしっかり読み取れる。2階の音楽、映画、オーディオコーナーと書籍の配置も熟考してあるので、自然と棚に目が向かう。ソファや机がいたる所にあり、じっくりと選んだ本やCDを吟味できる。せせこましくないのがいい。文庫や文学のコーナーを見つけきらずに1時間が過ぎて、バッグいっぱいに選んだ本を持って、2階のラウンジAnjinでKさんと落ち合った。このAnjinは、平凡パンチの全バックナンバーをはじめ、暮らしの手帖、BRUTUS、oliveなどファッションやカルチャー誌が四方の棚すべてに飾ってある。ソファとカウンターがあり、カウンターの下にもオブジェとして写真集やカタログがぎっしり背表紙を向けて積んである。ライブラリーそのものと言っていい。蔵書もすばらしいが、くつろげる空間に惚れ惚れしてしまう。私はアイスコーヒー、Kさんはカプチーノを飲みながら、お互いが選んだ本を紹介しながらあれこれ話した。ビールのメニューに、KAGUAがあった。ラグジュアリーを標榜するKAGUAにとって、ここはまさにピッタシの場所だろう。1300円と高いので飲む気にはならないが。

 文学・人文のコーナーの探索は次回のお楽しみとなったが、本の並べ方、圧倒的な本の数、洋書からヴィンテージ、さらにはバックナンバー。本を軸として、文具、カフェ、雑貨、オーディオ、CD&DVDレンタルへの展開は、ここまでやるかと唸ってしまうくらい徹底している。紀伊国屋書店ジュンク堂では出会えない本を目にすることができるから、定期的に散歩がてら訪れてみようと思う。