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【読了】「やりがいのある仕事」という幻想

「やりがいのある仕事」という幻想 (朝日新書)

「やりがいのある仕事」という幻想 (朝日新書)

 森博嗣がこんな本を書いているんだと前々から気になっていた。仕事にやりがいなんていらない、好きや生きがいになる仕事に就こうと小さい頃から先生や周りの大人にいわれるから、仕事にやりがいを持とう幻想が生まれた。冒頭から巷にあふれる仕事論や生き方論をぶった切る。

そもそも就職しなければならない、というのも幻想だ。人は働くために生まれてきたのではない。どちらかというと、働かない方が良い状態だ。働かない方が楽しいし、疲れないし、健康的だ。(中略)

ただ、一点だけ、お金が稼げないという問題があるだけである。

(P.51)

 自分の考えは、この文に集約されている。先月、10年来の友人と飲んだ時、「働きたくないとこだけはブレてない」と言われた。そうかなと思ったけど、この本を読むとまさに言い得たり、ずばりその通りだった。金を稼ぐための手段が仕事と割り切ればいいわけで、「好き」ではなく「適性」の仕事に就くことが長続きするんじゃないかと筆者は考えている。これも響いた。もちろん、好きと適性がつながっていればそれに越したことがない。

 印刷からPR、編集、書店とマスコミ分野を渡り歩いてきたけど、この辺で離れようとここ1か月ぐらい考えている。好きだという思い込みだけできたので行き詰まってしまったのではないか。これまでを振り返るとそう思えるようになってきた。

 この本に書いてあることは一つの考え方であって、すべて正しいわけじゃない。なんで好きややりがいを仕事に求めるようになってしまったのか。それを見直すきっかけになる。

「やりがいのある仕事」という幻想 (朝日新書)