OKサトウタナカ

その時々の興味あることを節操なく書き綴っていきます。

(屠畜は)普通の仕事と変わらない。むしろ、その肉を食えるあなたがたのほうが不思議。

 ようやく映画「ある精肉店のはなし」を見てきた。大阪府貝塚市東町にある「北出精肉店」を追ったドキュメンタリー。生産直販を謳い、子牛から育て、屠畜、きれいにさばいて卸と小売りで販売している。もちろん被差別部落問題も正面から取り上げているが、誇張はしていない。屠畜は特別な仕事と見る(差別している)人々が、それをおいしいと平気で食べていることが不思議だと、次男は言った。屠畜のシーンが一部始終収められている。しかし、残酷ではなく美しいシーンが連続する。眉間に斧を入れて牛を気絶させてから、枝肉になるまで1時間。家族の息の合った作業と熟練された技術に目を見張った。肉や脂はどこも捨てることなく処理していく。店の近くの屠畜場は統廃合により閉鎖されたので、北出さん一家は生産直販の看板を書き換えなければならない。不要になった牛舎を取り壊した後、どうするのだろう。これを見終ると、精肉店でお肉を買って食べたくなる。お肉はうまいと伝わってくる力を持っている。

うちは精肉店

うちは精肉店