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その時々の興味あることを節操なく書き綴っていきます。

アイルランド紀行

※ 2013/4/28にこの記事は書きました。

アイルランド紀行 - ジョイスからU2まで (中公新書)

アイルランド紀行 - ジョイスからU2まで (中公新書)

 

 世界で言葉が最も濃い地。この帯文が目に飛び込んできたので買った一冊。ロックバンド・U2が、なぜイングランドでなくアイルランドから生まれたのか。 かねがね疑問だったが、この本にその答えの一つが書いてあった。<一口サイズのブンガク>を口にほおばりながら、アイルランド全土に散在するゆかりの地や 建物を巡ることができる。
 紹介されるブンガクは、古典から現在の詩人や映画監督まで幅広い。強烈な皮肉と世の中を斜めに視る癖が脈々と受け継が れていることがわかる。それは、中世までに遡る宗教や政治の争いがもとになっている。筆者は、ダブリンに二つの大聖堂と一つの仮聖堂がなぜあるのか。U2 「地の平和」の歌詞に込められた北アイルランド和平協定をぶち壊した爆弾テロ実行犯への怒り。他にも幾多の例を挙げながら、歴史上の重要な出来事を随所に 挿入している。読み終えた後、帯文が腑に落ち、アイルランドへすぐ旅立ちたくなった。