OKサトウタナカ

その時々の興味あることを節操なく書き綴っていきます。

オレンジジュースの下げが止まらない

 ICEUSに上場しているオレンジジュース(OJX13)価格の下げが止まらない。正確に言うと冷凍果汁のオレンジジュースのこと。この先物価格がなんと先週4%以上も下落して、1ポンド117セント台に。買い(価格の上昇)で取引していたから、やむなくロスカット。

 こんなことを書いても商品先物やCFDの世界に明るい人でないとちんぷんかんぷんだろう。金や大豆、トウモロコシの先物取引と聞いただけで、危ないとか大損失のイメージがつきまとう。確かにその側面はあるが、これはNISAの大キャンペーンでおススメしている投資信託だって変わらない。相場は常に動いて変動するのだから。CFDとFXは同じ仕組みで、取引価格の5%から10%前後の証拠金を積めば取引できる。オレンジジュース(1ポンド=117米セント、最小単位の1000ポンド、1米ドル=98円)ならば、5733円の証拠金で1000ポンドの取引が可能になる。1セントの価格変動で、980円の損益が出る。たった980円と思うかもしれないが、10倍の10000ポンド(証拠金57330円)ならば9800円。もちろん、読みが逆に動けば損失となる。そして空売りできるのが大きい。価格が下落すると予測すれば、売り。上昇すると読めば、買い。投資信託は、購入時点より基準価額が上昇しなければ損失になる。もちろん長期投資が前提だから、デイトレードや数日間のスイングトレードのように目先の価格変動に一喜一憂することは無意味だ。

 商品先物は、しっかりと勉強して投資をすれば、それほど恐ろしいものではない。余裕資金とリスク管理(ロスカット)を厳密にして淡々と取引を続けること、わからないときは様子見、これを守れば資金が底をつき市場から退出する確率はかなり低くなる。しかし、投機のイメージがつきまとうコモディティは、株式や為替より相場の読み方が難しい印象がある。それは、圧倒的に情報量が少ないことだろう。だが、インターネットで発表される統計や各アナリストのレポート、さらにチャートを使ったテクニカル分析をすることで、だんだんと値動きが読めてくる。もちろん外すことも多いが。

 オレンジジュースを取り巻く環境が厳しいのは以前から知っていたが、相場はかなり変動している。(オレンジジュースは需給が悪化している記事)。ここで引用されているリポートの最新版(2013年9月28日付)が発表されていたのにデータをチェックし忘れたのが大きかった。取引ベース、小売価格、価格ベース、全てが下落。それにしてもどこまで下がるのだろうか。底が見えないので今週は様子見にする。

 

 

インド4つ星ホテルのシェフの看板に偽りなし ひつじや(東京・日比谷)

 今週の月曜日、ようやく「風立ちぬ」を見た。でっかい映画館が好きなので、日比谷スカラ座を選んだ。前から3列目でスクリーンを見上げながら観るのは気持ちがいい。「風立ちぬ」の感想は別の機会に書くとして、夕飯を映画館の真向かいにある日比谷シャンテ地下2階のカレー屋「ひつじや」でとった。

 ターリー屋やサムラートなど、本格インドカレーの店。シェフがインド4つ星レストラン出身で、スパイスやサフランライス、ナンに凝っていることがウリだった。とはいえ、どこにでもありそうな店で目立った特徴はなし。

 初めてなので、日替わりのインドたまごカレーを注文して店のレベルを測ることにした。10分ぐらいして、銀色の丸い大きな皿の上にカレーとナン、ライスが盛られて出てきた。インドから直接取り寄せた香辛料を使ったサフランライスは、薄い黄土色で他店の濃い黄色のライスとは明らかに違う。まずはカレーをスプーンですくい食べると、素材の甘さがが引き立せた辛い味が口いっぱいに広がった。よくある辛さの注文の指定がないから、シェフのベストブレンドで勝負しているのだろう。

 自慢のサフランライスは香辛料臭くなく、すいすいと口に入るし、薄い生地のナンとの相性は抜群。驚くことにナンとライスのお替り自由なのがうれしい。ライスとナンを1回ずつお替りして完食。デザートのヨーグルトを食べながら、久しぶりに「週1回通いたくなる店を見つけた」とひとり感激していた。これで650円はお得。ただ、月曜日の午後6時前だからなのか、私を含めて客が2名なのが不安だった。翌日、同じ場所で「サイドエフェクト」を見に行ったので、また寄ったら、今度はほぼ満席だった。つぶれないで長く続いて欲しい。神楽坂の「想いの木」が好きな人は、ここはおススメ。

 ■おいしいカレー工房 ひつじや

 

 

アイドルヲタの気持ちを見事に描写

 あまちゃんがおしまい。アキとユイが畑野駅向こうのトンネルをサイリウムを振りながら走り、最後は母親の春子が高校時代に落書きした灯台に向けて堤防の上を全力疾走する姿をカメラが俯瞰する。

 いやあ、よかった。朝ドラなんて毎日見るのがめんどうだし、なにせ八方美人の内容が気に食わなかった。最近だと尾野真千子主演のカーネーションを前半終わりぐらいから見たぐらい。だけどこの「あまちゃん」は違った。第6週「おらのじっしゃん大暴れ」から欠かさず見始めて、回を重ねるごとに熱は上がり続け、今日まで下がったことはなし。昨年11月から今年5月ゴールデンウィークにかけての日経平均の勢いと同じ。アベノミクスじゃなくアマノミクス。ちなみに見てない回は、インターネットで探して視聴済み。TSUTAYAでは、今日からDVDレンタルが開始れているので、見逃した回を見るならこっちがおすすめ。しばらくは、貸出中だらけだと思うけど。

 全体にちりばめられた小ネタは、見る人の年齢によってウケが違う。やはりクドカンと同じ世代は、小ネタをたくさん拾える人が多いように思う。昨日発売のFRIDAYに甲斐よしひろが熱く語っていた記事がカラー1ページで載っていた。

 正月に帰省して、あまカフェでアキとグレたユイが言い合うシーン。

アキ:ダサい!? そんなの知ってるよ、やる前からダサいと思ってた。ユイちゃんがアイドルになるって言い出した時から。ダサいから、あの時駅で聞こえないふりしたんだぞ。そしたらユイちゃんもう1回言ったんだぞ。

 じゃあ、なんで一緒に潮騒のメモリーズをやったのかとユイが問うと、

アキ:楽しいからに決まってるべ!ダサいけど楽しいから!ユイちゃんと一緒だから楽しいからやってたんだべ!ダサいくらいなんだよ我慢しろよ!

 このセリフに甲斐よしひろは考えさせれたと記事に書いてあった。行間と前後を読むと、「好きな音楽の道で食っているんだから、多少意に沿わない(ダサい)くらいで文句言うな。そんなんでステージに立たないなんて言うならやめろよ」と甲斐よしひろは思ったのだろう。独立してさかなくんと一緒に共演した教育向け番組「見つけてこわそう」の元ネタを、娘さんと語り合ったことにもグッときった。これは気になっていたので思わず二度読みしてしまった。この番組で使われた「逆回転」は、その後、重要なキーワードになっていく。

Iggy Pop and the Stooges


Search and Destroy - YouTube

 

  小ネタの元ネタは関連本やあらゆるサイトで盛り上がっているから、そっちに任せておくとして、なぜ私がこれだけ引き込まれたのか。それは、アイドルとそれを追っかけるヲタの気持ちを見事に描写していたから。それに尽きる。観光協会のホームページに二人の動画が掲載されて、北鉄に鉄道ヲタとアイドルヲタが殺到するシーン。スナック梨明日で、駅長の大吉が春子に向かって「オタクさんは決して悪い人じゃない。礼儀正しいし、それに北鉄を舞台にした二人のマンガまで描いてくる人もいるし」と話すと、「気持ち悪い」と顔をゆがめる春子。

 恋愛禁止だけど、そんなのばれずにやっていればいいという太巻Pや鈴鹿ひろ美。さらにはミズタクまで。じゃあ、なんでいまだにアイドルは恋愛禁止をウリにしているのか。番組では「みんなのアイドルだから恋愛ご法度」という視点で描いていた。ここは、話が長くなるので割愛。驚いたのは、建前と本音をこれでもかっていうくらい使い分けて、物語を進行したこと。これは見ていて爽快だった。

 大震災でGMTとのジョイントライブは中止になったけど、前日に振りの練習をしていたヲタの集団。そのリーダー格の中年・ヒビキ一郎が、「アイドルがそこにいるから応援する」のセリフはアイドルヲタの心理を的確に突いている名言だと思う。「山があるから登る」と同じ境地にいるとは言いすぎか。

 女性アイドルと追っかけの男性ファンの関係は、あまちゃんの重要なテーマだ。それが、「オレ、あたしにとってのアイドルってなんだ」につながっていく。

 私がこころを鷲掴みにされたのは、甲斐よしひろと同じシーン。

「ダサいけど楽しいから!ユイちゃんと一緒だから楽しいからやってたんだべ!」

 「追っかけるのは勝手だけど、アイドル側の気持ちも汲めよ」とファンに訴えているように聞こえた。このシーンは、元アイドルヲタの心に強く刻まれた。

雨音を聞きながら過ごすのも悪くない

 未明から激しい雨が降り始め、天気予報通り荒れた天気になった。7時のNHK FMのニュースは、シリアの化学兵器問題が収束に向かう方向になったと繰り返していた。はたしてどうなることか。この問題はそんな簡単に解決するはずがない。時折、雨足が弱まるけど、一定時間が過ぎると窓をたたきつける天気と同じ。台風はやがて過ぎるが、この問題はこれからもずっと横たわる。

 旅の計画も外出の予定もないから、部屋でゆっくりと過ごそうと昨日から決めていた。昔は雨になるだけで損した気分になったのに、いまは天気に合わせた楽しみができる。朝食を食べてからは、止む気配がない雨の音を聞きながらのんびりしていた。本を読むのでもなく、片づけをするのでもなく。インターネットはちょろっと見ただけ。そうこうしてたらお昼になり、日の光が差し始めた。台風もひと休みか。いつ降りだすかわからないから、クリーニング屋とスーパーに行って戻ってきた。

 サンデーソングブックは残り20分。午後2時40分。外はさんさんと晴れている。番組が終わったら近所を散歩しよう。

【読了】「やりがいのある仕事」という幻想

「やりがいのある仕事」という幻想 (朝日新書)

「やりがいのある仕事」という幻想 (朝日新書)

 森博嗣がこんな本を書いているんだと前々から気になっていた。仕事にやりがいなんていらない、好きや生きがいになる仕事に就こうと小さい頃から先生や周りの大人にいわれるから、仕事にやりがいを持とう幻想が生まれた。冒頭から巷にあふれる仕事論や生き方論をぶった切る。

そもそも就職しなければならない、というのも幻想だ。人は働くために生まれてきたのではない。どちらかというと、働かない方が良い状態だ。働かない方が楽しいし、疲れないし、健康的だ。(中略)

ただ、一点だけ、お金が稼げないという問題があるだけである。

(P.51)

 自分の考えは、この文に集約されている。先月、10年来の友人と飲んだ時、「働きたくないとこだけはブレてない」と言われた。そうかなと思ったけど、この本を読むとまさに言い得たり、ずばりその通りだった。金を稼ぐための手段が仕事と割り切ればいいわけで、「好き」ではなく「適性」の仕事に就くことが長続きするんじゃないかと筆者は考えている。これも響いた。もちろん、好きと適性がつながっていればそれに越したことがない。

 印刷からPR、編集、書店とマスコミ分野を渡り歩いてきたけど、この辺で離れようとここ1か月ぐらい考えている。好きだという思い込みだけできたので行き詰まってしまったのではないか。これまでを振り返るとそう思えるようになってきた。

 この本に書いてあることは一つの考え方であって、すべて正しいわけじゃない。なんで好きややりがいを仕事に求めるようになってしまったのか。それを見直すきっかけになる。

「やりがいのある仕事」という幻想 (朝日新書)

【読了】憲法の創造力

憲法の創造力 (NHK出版新書 405)

憲法の創造力 (NHK出版新書 405)

 新書だからすいすいと頁が進んだ。自分と同じ年でもこれだけ勉強して、いろいろと考えている人がいるんだと思うと、俺は何やっているんだと思った。最初から答えありきの論調ではなく、一票の格差、君が代起立・斉唱、裁判員制度など、新聞やニュースでよく取り上げられる問題を多角的な視点で捉えている。憲法学の入門書なので、小難しいことは書いてない。答えは一つではなく、想像力を働かせて憲法を利用することが重要だと説いている。

つまり、憲法9条は、日本国の非武装を要求しているのではなく、日本国が非武装を選択できる世界の創造を要求している、ということである。もちろん、現時点では、そんな世界を想像することすら困難である。(P.223)

 憲法9条がクローズアップされるが、これは問題の一つ。他にもたくさんある。いまさらながら、学生時代に法律をもっと勉強しておけばよかったと読み終えた後にため息が出た。

参院選の投票に行く前によんでみては。

憲法の創造力 (NHK出版新書 405)

【読みかけ】憲法の創造力

 

憲法の創造力 (NHK出版新書 405)

憲法の創造力 (NHK出版新書 405)

 参院選選挙の宣伝カーが街を駆け抜けいている。この暑さで支援者や立候補者がぶっ倒れないことを祈る。麻生太郎のようにアイスでも食べないとやってられませんよ(写真)。原発再稼働、消費税増税、改憲、TPP、保育所問題…。やまほど問題があるが、どうも改憲が盛り上がってない。いや、わざと盛り上がらないようにして過半数の議席を獲得したら、野党の一部も巻き込んで96条を改正しようという腹なのか。戦後に制定された日本国憲法を改正するのは、初めてのこと。安倍首相にその度胸があるとは思えない。もちろん政権を担う人々にも。

 改憲に賛成か反対かを論ずる前に、そもそも憲法は何か。日本国憲法と私たちの生活はどう関係あるのか。憲法の入門書として最適なのがこの本だとおもう。立憲主義や近代国家の概念を軽く説明したあと、日の丸・君が代問題、一票の格差、生存権の主張など、具体的な事例を最高裁の判決をもとに解説している。いまは、最初の日の丸・君が代問題を読んでいるところ。

 「思い込み」で改憲の議論がなされている状況がナンセンスだと、著者は冒頭で指摘している。9条があるから自衛隊は武器を持ち海外で活動してはダメ。国歌斉唱の強制は、思想の自由に反するとか。

 次のページを早くめくりたくなる。

 憲法の創造力 (NHK出版新書 405)